- 子供の熱に使うレメディは、実は子供の免疫力を奪っている!?
- 子供の発熱は「悪」じゃない!免疫力を育てる絶好のチャンスだった
- プロですら難しい発熱へのレメディ選びを、素人がしてはいけないワケ
- もう騙されない!子供の熱で安全にホメオパシーを使うための6つの鉄則
- 子供の熱に過剰に不安になる理由は「あなた自身の心の問題」が原因かも?
- 親子で健やかになるためにはこちらがオススメです
クラシカルホメオパシーの専門家 世良純子です。この記事では、プロからみた、ホメオパシーを使った子供の熱への正しい対応法を徹底的に解説していきます。
多くの母親が良かれと思って子供の高熱にホメオパシーを使いますが、実は危険性が伴うことはあまり知られていません。
安全なレメディーの選び方についても詳しくお伝えします。
「子供が熱を出すたびに不安で、レメディーを使っているけど、本当にこれでいいの?」と感じているあなたは、ぜひ最後までじっくり読んでみてください。しかし、もしあなたが子供の熱に毎回悩んでしまうとしたら、それは母親であるあなた自身の心の状態が影響しているのかもしれません。
親子で健やかになるために、あなたの心を客観的に診断する方法はこちらで解説しています。
子供の高熱にホメオパシーは危険!レメディーを使う前に母親が知るべき罠とは?

子供を思うからこそ選んだホメオパシー。しかし、その使い方を一つ間違えるだけで、良かれと思った行為が、かえって子供の体を弱らせる「罠」に変わってしまうことがあります。
この章では、子供の熱にホメオパシーのレメディーを使う前に、すべての母親が知っておくべき危険性と、本当の意味で安全な使い方について解説していきます。
- そのセルフケア、本当に危険!子供の発熱でレメディーを乱用する危険性
- 「熱はすぐ下げるべき」という思い込みが子供の免疫力を奪うという事実
- 実はプロでも難しい発熱への対処。ホメオパシーのレメディー選びで失敗する理由
それでは1つずつ見ていきましょう。
なお、ここで解説するのはあくまでクラシカルホメオパシーの一般的な知識です。
あなたのお子さん特有の症状や体質、そしてあなたの心の状態に合わせたオーダーメイドの解決策を知りたい場合は、個別にご相談いただくのが最善です。
そのセルフケアは本当に危険!子供の発熱でレメディーを乱用する危険性

結論から言います。安易な知識で子供の熱を下げるのにホメオパシーを使うことほど、危険なものはありません。
特に、子供の健康を願う純粋な母親の気持ちが、皮肉にもレメディーの乱用につながりやすいのです。
「子供に薬は飲ませたくない」という思いからホメオパシーに興味を持つ。ここまでは、母親としての素晴らしい直感です。
しかし、数日のセルフケア講座や数冊の本で得た知識だけで、「これで大丈夫」と判断してしまうのは、あまりにも短絡的で危険です。
なぜなら、セルフケアで教えられるレメディーの使い方は、あくまで応急処置。いわば、車の運転でアクセルとブレーキの踏み方だけを習ったような状態です。
実際に公道を走るには、標識の意味を知り、交通状況を判断し、危険を予測する総合的な技術が必要ですよね?
ホメオパシーも同じです。
子供が熱を出すたびに、Aの症状にはAのレメディー、Bの症状にはBのレメディーと、機械的にレメディーを使い続けることは、もはや「ケア」ではなく、子供の体を混乱させる「乱用」なのです。
「熱はすぐ下げるべき」という思い込みが子供の免疫力を奪う

子供の発熱は、体を守り、免疫を鍛えるための極めて重要なプロセスです。
私たちの体は、ウイルスや細菌が入ってくると、体温を上げることでそれらの活動を弱め、白血球などの免疫細胞が戦いやすい環境を作ります。
つまり、熱を出すこと自体が、体が正しく戦っている証拠。
子供はこの発熱を繰り返すことで、様々な病原体に対する抵抗力、すなわち免疫力を段階的に育てていくのです。
それなのに、熱が出るたびに強い薬をとり、自力で免疫を鍛えようとするプロセスを強制終了させることは身体にとってよくないことは、母親なら想像がつくはずです。
ところが、この子供自らの成長プロセスは、ホメオパシーレメディーの乱用でも強制終了させてしまう事が可能なのです。
子供の体は、自分で戦って病原体に打ち勝つという貴重な学習の機会を失います。
まるで、子供が自転車の練習をしているのに、転びそうになるたびに親が駆け寄って自転車を支えてしまうようなもの。一見、優しさに見えますが、それでは子供はいつまでたっても一人で自転車に乗れるようにはなりません。
熱を悪者扱いし、すぐに下げようとすることは、子供が本来持つ「自分で治る力」を信じず、その成長の芽を摘んでしまう行為なのです。
実はプロでも難しい発熱への対処。ホメオパシーのレメディー選びで失敗する理由

結論から言うと、急性の発熱のように情報が少ない症状へのレメディー選びは、プロのクラシカルホメオパスにとっても非常に難しいのです。
私が普段行うセッションでは、その人の生まれてから今までの病歴、性格、心の癖、家族関係まで、深く全体的に話を伺って、その人にピッタリ合うたった一つのレメディーを探し出します。
しかし、急な発熱のケアでは、頼りになるのは「今、目の前にある症状」だけです。
熱の上がり方、顔色、喉の状態、機嫌、欲しがるもの…、症状はわずかしかありません。
これらの断片的な情報から、数千種類あるレメディーの中から最適な一つを選ぶのは、プロでも至難の業です。
しかも、その熱が、実はもっと根深い慢性の問題の現れである可能性も考えなくてはなりません。
安易なセルフケアで選んだレメディーが、たまたま一時的に熱を下げることはあるかもしれません。
しかし、それは問題の根本にフタをしているだけで、より問題を複雑にし、悪化させているケースがほとんどです。
プロですら慎重になるレメディー選びを、知識の浅いセルフケアで簡単に行えるはずがない。この事実を知ることが、危険な失敗を避ける第一歩です。
ここまで読んで、「じゃあ、一体どうすればいいの?」と不安になってしまったかもしれません。
でも、安心してください。正しい知識を身につけ、正しい手順を踏めば、ホメオパシーはあなたの強力な味方になります。
そのための具体的な方法を、これからじっくり解説していきますが、もし「今すぐ、うちの子のケースで具体的に相談したい!」という場合は、プロに頼るのが一番の近道です。
あなたとお子さんに合った解決策を見つける方法はこちらで手に入れてください。
【要注意】ホメオパシーで子供の熱が悪化する!セルフケアに潜む4つの問題点

ここでは、良かれと思って始めたホメオパシーのセルフケアが、なぜ逆に子供の体を弱らせてしまうのか?その裏に隠された、具体的な4つの問題点を深く掘り下げていきます。
- 問題点1:安易なセルフケア講座の知識だけで、我が子を実験台にしていませんか?
- 問題点2:子供が治らないのは「母親のせい」?インナーチャイルドという霊感商法まがいの罠
- 問題点3:良かれと思ってレメディーを乱用し、子供の体を弱体化させる母親たち
- 問題点4:本当に問題なのは子供?「熱」に過剰に反応してしまう母親の心の問題
それでは、一つずつその深刻な問題点を見ていきましょう。
問題点1:安易なセルフケア講座の知識だけで、我が子を実験台にしていませんか?
結論から言うと、多くのセルフケア講座は、母親に「分かったつもり」にさせるだけで、結果的に我が子を危険な実験台にしてしまう入り口になっています。
「あなたも簡単に家族をケアできますよ」という甘い言葉に誘われて、数万円の講座に参加する。そこで教わるのは、ごく一部のレメディーの、ごく表面的な使い方だけです。
しかし、母親はそこで「ホメオパシーを学んだ」という自信と、数十種類のレメディーキットを手に入れます。
これが始まりで、子供が熱を出すたびに、習ったばかりの知識を子供に試してみたくなるのが人情です。
しかし、子供の身体は、あなたの学びを試すための実験場ではありません。中途半端な知識は、無知よりもはるかに危険です。そのことを、まず自覚する必要があるのです。
ホメオパシー相談会で生まれる「毒だし」という名の標準レメディーへの誤解

「子供の不調の原因は、予防接種の毒が溜まっているからです。まずは毒だしをしましょう」
一部のホメオパシー相談会や講座では、こんな説明がされます。
そして、予防接種の種類ごとに決まった「標準レメディー」が、まるでセットメニューのように渡されるのです。
子供の不調の原因が分からず不安だった母親は、「原因はこれだったんだ!」と安心し、その標準レメディーを信じきって濫用してしまいます。
でも、ここで冷静に考えてみてください。
症状も体質も違う子供たちに、全員同じレメディーを出す。これは、病院が風邪の患者全員に同じ薬を出す「対処療法」と、一体何が違うのでしょうか?
ホメオパシーの流派によってはいろんな考え方があるのは仕方がありません。
しかし、「毒だし」という言葉に惑わされ、ホメオパシーの本質からかけ離れた行為を知らず知らずのうちにしていませんか?
クラシカルホメオパシーではあり得ない「全員同じ」という考え方
私が専門とする、ホメオパシーの源流であるクラシカルホメオパシーの世界では、「全員に同じレメディーを出す」という考え方ではありません。
なぜなら、ホメオパシーの最大の原則は「個別化」にあるからです。
例えば、同じ「咳」という症状でも、Aさんは乾いたコンコンという咳で、夜中に悪化する。Bさんはゼロゼロという痰の絡んだ咳で、日中に悪化する。
この2人に使うレメディーは、全く異なります。
その子の性格、体質、症状の細かい特徴、すべてを総合的に判断して、その子「だけ」に合うレメディーを探し出す。これが本当のホメオパシーです。
標準レメディーのような画一的なアプローチは、本来のホメオパシーとは全く別のものです。
問題点2:子供が治らないのは「母親のせい」?インナーチャイルドという言葉の罠

「標準的なレメディーを試しても、一向に子供が良くならない…」
「まわりのお母さんは着々と熱を下げることができているのに…」
そんな時、あなたはホメオパスからこんな言葉をかけられたことはありませんか?
「お子さんが治らないのは、お母さん、あなたのインナーチャイルドに問題があるからです」
子育てに一度も不安になったことがない母親がいるでしょうか?
子供のために必死になっている母親は、そう言われると「私のせいなんだ…」と自分を責め、ますますそのホメオパシーのアドバイスから離れられなくなります。
しかし、そもそもホメオパシーと、成否が曖昧なスピリチュアルやヒーリングを安易に結びつけること自体が、大きな間違いです。
本来のホメオパシーは、地に足のついた観察と分析に基づく、非常に論理的な体系だからです。
問題点3:良かれと思ってレメディーを乱用し、子供の体を弱体化させる母親たち

「このレメディーを使ったら、子供の熱がすぐ下がるんです!」反対にホメオパシーセルフケアを始めた母親から、こんな喜びの声をよく聞くこともあります。
仕事を休めない時など、レメディーが煩わしい子供の熱を下げる「実に便利なツール」になるのは事実でしょう。
しかし、その手軽さこそが、知らず知らずのうちに子供の体を弱らせる「乱用」につながる、最も恐ろしい問題点なのです。
熱が下がるという目先の成功体験を繰り返すうち、母親はホメオパシーへの信頼を深めていきます。
そして、子供が熱を出すたびに、幼児に何の疑いもなくレメディーを何度も何度も使うようになります。
しかし、思い出してください。先ほど解説した通り、熱を出すことは、子供が免疫を鍛えるための大切なプロセスです。
その大切な機会を、母親が「自分が困るから」「便利だから」という理由で毎回奪い続ける。この行為が、子供の自然な成長を妨げ、体を根本から弱体化させているという事実に、多くの母親は気づいていません。
良かれと思ったあなたの行為が、実は最も子供の健康を損なっているのかもしれないのです。
アコナイトやベラドンナがあれば安心?熱が出るたびにレメディーで抑えることの問題点
発熱初期のレメディーとして有名な、アコナイトやベラドンナ。セルフケア講座では必ず教わる、いわば「スター選手」のようなレメディーです。
「これさえあれば、子供の急な熱も安心!」
「これさえあれば、誰でも子供の熱がすぐに下げられる!」
そう思って、お守りのように常備している方も多いでしょう。
確かに、タイミングが合えば、これらのレメディーは驚くほど速やかに熱を変化させることがあります。
しかし、あなたは、熱が出た本当の原因を理解していますか?
アコナイトが合うのは「冷たい風に当たった後、急に悪寒と共に始まる熱」
ベラドンナが合うのは「真っ赤な顔で、瞳がキラキラし、手足は冷たい高熱」
あなたは自分の子供の体質を真に理解していますか?そうではなく、ただ「熱が出たからアコナイト」と機械的に使うことは、全くの見当違いです。
根本的な解決にはならず、むしろ体の自然な反応を邪魔している場合もあるのです。
子供の高熱がレメディーですぐ下がる本当の理由と、その後の悪化について

「でも、実際にレメディーで熱が下がるんだから、効果があるんじゃないの?」
そう思うのも無理はありません。では、なぜすぐに熱が下がるのでしょうか。
その理由は、子供の生命力が大人よりもずっと強く、症状がわかりやすくクリアだからです。
大人は長年の不摂生やストレスで体が鈍くなっていますが、子供の体は外部からの刺激にとても素直に反応します。
そのため、たとえ完璧にヒットしていなくても、少しだけ似ているレメディー(シミラー)の刺激が入るだけで、体が「おっ?」と反応し、一時的に熱を下げるという変化を見せることがあるのです。
問題点4:本当に問題なのは子供?「高熱」に過剰に反応してしまう母親の心の問題

私が多くの母親たちを見てきて感じることがあります。それは、子供の症状の裏には、高確率で母親自身の心の問題が隠れている、ということです。
例えば、子供が熱を出すたびに、あなたはどんな気持ちになりますか?
「またか…」「仕事どうしよう」「何か悪い病気だったら…」「夫には相談できないし・・・」
不安で、胸が押しつぶされそうになるかもしれません。
しかし、ここで一度、冷静に考えてほしいのです。
本当に問題なのは、熱を出している子供なのでしょうか?
それとも、その熱に過剰に不安になり、パニックになっている「あなた自身の心」なのでしょうか?
子供を心配しているようで、実はあなた自身の不安や孤独、満たされない思いを、子供の「熱」という問題に投影しているだけなのかもしれません。
この可能性に気づくことが、泥沼から抜け出すための最も重要な一歩になります。
「自分の心が原因かもしれない」と気づくことは、あなたを責めるためではありません。
むしろ、それはあなたが一人で子育てを必死に頑張ってきた証拠です。
その頑張りを、今度は少しだけ、あなた自身のために使ってみませんか?自分の心と向き合うことは、何よりも子供のためになるのです。
子育ての不安やストレスが「子供は病気」という思い込みを生む

母親が抱える子育ての不安やストレスは、時に「うちの子はどこかおかしい、病気なんだ」という強い思い込みを生み出します。
- 周りの子と比べて、少し発達がゆっくりに見える。
- 言うことを聞かなくて、毎日かんしゃくを起こす。
- 友達の輪に、なかなかなじめない。
これらは、子供の成長過程ではごく自然な姿かもしれません。
しかし、子育てに疲れ、心に余裕がなくなっている母親の目には、それらがすべて「異常な症状」として映ってしまうのです。
「普通じゃない」→「病気に違いない」→「治さなければ」
この思考のワナにはまると、母親は躍起になって「治療法」を探し始めます。
そこで「身体に優しい療法」「誰でも簡単につかえる」「自分で子供の身体を守れる」と聞くととびつきます。
そして、手軽に見えるホメオパシーのセルフケアに飛びつき、本来なら必要のないレメディーを、子供に次々と与えてしまうのです。
これは、子供のありのままの姿を否定し、母親の「理想の子供像」を押し付ける行為に他なりません。
でももし、あなたの不安が、子供から健やかに成長する機会を奪っているとしたら・・・?
夫や実母との関係性。相談相手がいない母親の孤独

なぜ、母親はそこまで一人で不安を抱え込んでしまうのでしょうか?
その根底には、最も身近な存在であるはずの夫や実母との関係性の問題、そして、心から頼れる相談相手がいないという「孤独」があります。
「子供のことで夫に相談しても、真剣に聞いてくれない」
「実母に話したら、『あなたの育て方が悪い』と責められた」
「まわりのママ友と差を感じてしまう」
こんな経験はありませんか?
日本では、まだまだ子育ての責任が母親一人に偏りがちです。誰にも本音を話せず、理解してもらえない孤独の中で、母親はどんどん追い詰められていきます。
そんな時、ホメオパシー相談会などで自分の話に熱心に耳を傾け、「分かりますよ」と共感してくれる人が現れたら、どうでしょう?
母親は、初めて自分の居場所を見つけたと感じ、その人を心から信頼してしまいます。たとえ、その裏で間違ったレメディーが処方されていたとしても、その事実に気づくことはできません。
相談相手のいない孤独こそが、母親を危険なホメオパシーの罠へと引きずり込む、大きな要因なのです。
ドイツと日本の比較でわかる!子供の「熱」への向き合い方
この章では、私がドイツ在住の日本人ホメオパスに取材した内容をもとに、日本とドイツの「熱」に対する考え方の根本的な違いを明らかにしていきます。
海外の常識を知ることで、私たちが当たり前だと思っている日本の医療や子育てがいかに特殊で、問題だらけであるかが見えてくるはずです。
この客観的な視点は、あなたを思い込みから解き放つ強力な武器になります。
- ドイツの病院ではホメオパシーが併用されるが、問題点も
- 薬を乱用しないドイツの医療。インフルエンザで「休む」のが当たり前!?
それでは、日本を飛び出して、新たな視点を手に入れましょう。
ドイツの病院でホメオパシーが併用される実態と問題点

ドイツの一部の病院では、ホメオパシーが保険適用の治療として行われています。
日本では「トンデモ科学」と揶揄されるホメオパシーが、ドイツでは補完療法の一つの選択肢として、国に認められているのです。
これは、レメディーがプラシーボではなく、体に作用する力を持つことの何よりの証拠と言えるでしょう。
しかし、手放しで喜べる話ではありません。その「使われ方」には、実は日本と同じような大きな問題点が潜んでいるのです。
医師兼ホメオパスの存在と、希望に応じて選択できる治療法

私の取材に協力してくれたドイツの病院に通うホメオパスがいうには、ドイツの病院には、普通の医師だけでなく、「医師でありながらホメオパスでもある」という資格を持った先生も存在するようです。
- 薬を使った通常の治療
- ホメオパシーによる治療
- 通常の医療とホメオパシーの併用
これらの中から、治療法を選ぶことができたそうです。
ホメオパシーが、医療と対立するものではなく、協力しあうパートナーとして存在している。これが、ドイツでは有り得る選択なのだそうです。
なぜ効果が出ない?病院で出るレメディーが「対処療法」になっている現実
しかし、ドイツの病院でさえ、クラシカルホメオパシーではなく、ホメオパシー本来の原則を無視した「対処療法」としてレメディーをたくさん使われるケースも多いようです。
例えば、咳の症状に対して、詳しい問診もせずに、数種類のレメディーを混ぜた「咳止めシロップ」のようなものが処方される。耳が痛いというだけで、個別化を一切せずにアコナイトが出る
その結果、ドイツ人の中にも「病院でレメディーをもらったけど、全然効かなかった」と感じている人がいるようです。
日本よりもホメオパシーが認められていても、その使い方が間違っていれば、ホメオパシーは本来の力を発揮できない。
この事実は、日本にいる私たちにとっても、非常に重要な教訓となります。
薬を乱用しないドイツの医療。インフルエンザで「休む」のが当たり前!?
ホメオパシーの使い方には問題がある一方で、ドイツの医療には、日本が見習うべき素晴らしい点があります。
それは、子供の体のことを第一に考え、ステロイドや抗生物質といった強い薬を、必要以上に使いすぎないことです。
この根本的な考え方の違いは、特にインフルエンザのような病気への対応に、顕著に現れます。
小児科でステロイドや抗生物質を多用しないドイツの考え方
ドイツの小児科では、「日本のように安易にステロイドや抗生物質を処方することは、まずない」とのことです。
しかし、日本の感覚に慣れてしまった日本人の母親の中には、ドイツの医師に対して「早く治してよ!なんで薬を出してくれないの?」と不満を抱く人もいるそうです。
すぐに症状を抑えてくれる強い薬を出す医者が「良い先生」だという、日本の常識。しかし、それは本当に子供のためを思ったケアなのでしょうか?
「何がなんでも会社へ出社」日本の常識は、海外から見ればクレイジー

この「薬漬け」の背景には、日本の異常な労働環境があります。
ドイツでは、インフルエンザにかかっても、病院で薬は出ません。
なぜなら、インフルエンザになったら「休むのが当たり前」だからです。
しっかり1週間休めば、体は自然に回復します。みんなが休むから、感染も広がりません。
一方、日本はどうでしょう?
高熱が出ても、タミフルのような強い薬を飲んで、マスクをして、這ってでも会社や学校に行かなければならない。そんな同調圧力がありませんか?
ドイツでは、マスクをして出社したら「そんな状態で来るな!休め!」と、マナー違反と見なされるそうです。
「今すぐこの症状を治してほしい」という患者の要望に応える日本の医療は、一見親切に見えます。
しかし、その結果、私たちは本当の健康と、心穏やかに休む権利を、自ら手放してしまっているのかもしれません。
【実践編】もう騙されない!子供の熱でホメオパシーを使う際の4つのチェックポイント

これまでの内容を踏まえて、あなたが子供の熱でホメオパシーと向き合う際に、絶対に守ってほしい「6つの実践的なチェックポイント」を具体的にお伝えします。
このチェックポイントは、あなたを危険な罠から守り、子供の健康を本当にサポートするための「お守り」になるはずです。
- その1:本当にレメディーが必要な症状か見極める
- その2:子供の全体像(精神状態、のどの渇きなど)を冷静に観察する
- その3:3回試して効かなければ、そのレメディーは合っていないと判断する
- その4:ぐったりしている、けいれんなど危険な兆候があれば、すぐに病院へ
では、1つずつ見ていきましょう。
その1:本当にレメディーが必要な症状か見極める
最初のチェックポイントは、「そもそも、今、本当にレメディーの介入が必要か?」を自問することです。
子供は少し鼻水が出ているだけで、元気に走り回っている。
熱は38度あるけれど、食欲もあって、お気に入りのおもちゃで遊んでいる。
こんな状態の時、あなたは焦ってレメディーを探していませんか?
思い出してください。子供にとって、ある程度の熱や症状は、免疫を鍛えるための自然なプロセスでしたよね。
母親の不安から、子供の自然な成長プロセスを邪魔しないこと。これが、何よりも大切な大原則です。
子供が自分の力で乗り越えられそうだと感じたら、レメディーは使わずに、栄養のある食事と十分な休息を与え、ただ静かに見守ってあげる。その「何もしない」という選択が、最高のケアになることも多いのです。
その2:子供の全体像(精神状態、のどの渇きなど)を冷静に観察する
もし、レメディーの使用が必要だと判断した場合、次にやるべきことは「徹底的な観察」です。
「熱が38度」という数字だけを見て、パニックにならないでください。一度、深呼吸をして、探偵のように子供の「全体像」を冷静に観察するのです。
- 精神状態:機嫌はどうですか?甘えん坊になっていますか?それとも、一人になりたがっていますか?
- 喉の渇き:水をがぶ飲みしますか?それとも、一口も飲みたがりませんか?
- 体の状態:汗はかいていますか?顔色は?手足は熱いですか、冷たいですか?
- 痛み:どこか痛いところはありますか?その痛みは、動かすと悪化しますか?温めると楽になりますか?
- 欲しがるもの・嫌がるもの:何か特定のものを食べたがったり、逆に嫌がったりしていませんか?
これらの細かいけれど重要なサインの組み合わせこそが、正しいレメディーを見つけるための唯一の手がかりです。
温度計の数字よりも、あなたの「観察眼」を信じてください。
その3:3回試して効かなければ、そのレメディーは合っていないと判断する
「レメディーを3回試して、明らかな良い変化がなければ、そのレメディーは間違っている」と判断し、潔く中止してください。
「もう少し続ければ効くかも…」
「せっかく選んだのにもったいない…」
このようにダラダラと使い続けることが、問題をこじらせる最大の原因です。
レメディーが本当にヒットしていれば、1回か2回、遅くとも3回使ううちに、何らかの良い変化(例えば、機嫌が良くなる、眠り始める、汗をかき始めるなど)が見られるはずです。
それが見られないのなら、あなたの見立てが間違っていたと素直に認め、一度リセットすること。
この「見切りの速さ」が、セルフケアで失敗しないための重要なスキルです。
なお、そのレメディーが合っているかどうかを相談したい場合はこちらから個別相談にお進みください
その4:ぐったりしている、けいれんなど危険な兆候があれば、すぐに病院へ

このチェックポイントは、何よりも優先されるべき絶対的なルールです。
ホメオパシーは、決して万能ではありません。そして、医療の代わりにはなりません。
子供の状態を見て、少しでも「いつもと違う」「これはおかしい」と感じたら、迷わずすぐに医療機関を受診してください。
特に、以下の様なサインが見られる場合は、ホメオパシーで様子を見ている場合ではありません。
- 意識が朦朧としている、呼びかけに反応しない
- けいれんを起こした
- 呼吸が速い、苦しそう
- 水分が全く取れず、ぐったりしている
- 激しい頭痛や嘔吐を繰り返す
「薬は使いたくないから…」というあなたのこだわりが、子供の命を危険に晒すことになっては、本末転倒です。
ホメオパシーと医療、それぞれの得意分野を理解し、適切に使い分けること。それこそが、子供の健康を守るための、親としての賢明な判断なのです。
ホメオパシーで発熱・高熱に対応する前に。知っておくべきレメディーの基本と選び方

ここまで、ホメオパシーのセルフケアに潜む危険性や、背景にある問題点を詳しく解説してきました。
では、一体どうすれば、安全にホメオパシーの恩恵を受けることができるのでしょうか。
この章では、いよいよ具体的な「How」、つまり発熱や高熱の際に、レメディーをどう考え、どう選んでいけば良いのか、その基本的な知識とヒントをお伝えします。
この章で解説する詳細は以下の通りです。
- 大人の発熱と子供の発熱。ホメオパシーでの考え方の違い
- 大人の発熱にホメオパシーのセルフケアをおすすめしない理由
- 熱が上がったり下がったり…そんな症状に合うレメディーの考え方
- レメディーを使っても熱が下がらない!そんな時に考えられる3つの可能性
それでは、具体的なレメディー選び方に入っていきましょう。
大人の発熱と子供の発熱。ホメオパシーでの考え方の違い
まず、大前提として知っておいてほしいのは、大人の発熱と子供の発熱では、ホメオパシーでの捉え方や対応の緊急度が全く異なるということです。
先ほども述べたように、子供の発熱は、免疫システムを鍛えるための成長に必要なプロセスです。
ですから、よほどぐったりしていない限りは、慌てて介入する必要はありません。むしろ、見守ることが大切な場合が多いのです。
一方、大人の場合はどうでしょう?
大人が高熱を出すということは、免疫を鍛えている段階ではありません。
ですから、大人の高熱は、子供の熱よりも慎重に、そして根本的な原因を探る視点を持って対応する必要があります。
もちろん、大人でも子供でも、本当に具合が悪そうな時は、ホメオパシーを検討せずただちに医療機関にかかる必要があります。なにがなんでもホメオパシーでケアしようとするのは間違いです。
大人の発熱にホメオパシーのセルフケアをおすすめしない理由
大人の場合は、高熱を出さないことは健康である場合と、とても不健康だから高熱を出す力がなく、症状が沈んでいる場合があります。
その解釈の違いによって、高熱を出すことが不調のサインの場合と、高熱を出すことが健康になっているプロセスの1つである場合があり、それらの見極めはプロのホメオパスでも難しいのです。
はっきりといえることは、これらの見極めができない限り、ホメオパシーセルフケアで熱を下げるのはむしろ危険であるということです。
ホメオパシーの危険性についてはこちらを参考にしてください。

もし大人が熱を頻繁に出すことで不安になったら、まずは医療機関にかかり、ホメオパシーでケアできる場合は、プロにご相談いただくのが最適といえるでしょう。
熱が上がったり下がったり…そんな症状に合うレメディーの考え方
「熱が一度下がったのに、また夜になると上がってくるんです」こういった、熱が上がったり下がったりを繰り返す症状のご相談も非常に多いです。
これはレメディーが適合していない場合、レメディーのポテンシー(強さ)が足りない場合、その熱が健康になるために必要性があって上がっている場合など、さまざまな解釈ができます。
詳しくは次の項目をお読みください。
Q&A.レメディーを使っても熱が下がらない!そんな時のよくあるご質問

「本に書いてある通りにレメディーを使ったのに、全然熱が下がらない!」これがセルフケアで挫折する、最も多いパターンの一つです。
熱が下がらない時、考えられる可能性は、大きく分けて4つあります。
- 選んだレメディーが、全く合っていない
- ポテンシー(レメディーの強さ)が合っていない
- そもそも、ホメオパシーでは対応すべきでない、深刻な病気が隠れている
- 下げるべき熱ではない
Q.レメディーをとっても全く熱が下がりません、理由は?
A.熱が下がらない最も多い原因は、選んだレメディが完全な的外れであることです。
ホメオパシーでは、その熱の質や特徴が重要です。的外れなレメディは、体に何のメッセージも伝えられません。
何度使ってもお子さんの状態に良い変化が見られないなら、それは体が「そのレメディは違いますよ」と教えてくれているサインなのです。
Q.一瞬熱が下がったかのように見えてまた上がってきました
A.レメディーのポテンシーが足りないのかもしれません。
レメディの種類は合っていても、その「強さ(ポテンシー)」が体に合っていなければ、充分に効果は現れません。
お子さんの生命力に対してポテンシーが弱すぎると、刺激が届かず変化が起きないのです。
かといって、自己判断で強いポテンシーを使うのは、アクセルとブレーキが効かない車を運転するようなもので、大変危険です。
ポテンシーの適切な選択と調整は、プロのホメオパスにしかできない、非常に繊細な技術なのです。
Q.子供の熱にはまずホメオパシーのレメディーを試して、どれも駄目なら病院にかかればいいですか?
A.ぐったりして意識が朦朧としている、けいれんを起こした、呼吸が苦しそうなど、普段と違う危険なサインが見られる場合は、レメディで様子を見ている場合ではありません。
また、コレに限らずなんとなく嫌な予感がするときにもただちに病院に行ってください。
これが最も注意すべきケースです。その熱の裏に、ホメオパシーで対応すべきではない、深刻な病気が隠れている可能性があります。
あなたのこだわりが、取り返しのつかない事態を招く前に、直ちに医療機関を受診してください。
>>これって医療機関にかかるべき?トラブルに見舞われる前に覚えておこうお問い合わせはこちら
Q.熱が出ると全てレメディーで下げたほうがよいですか?
A.ホメオパシーでは身体が根本から良くなるために、あえて出している「良い意味でのの熱」があるという考えがありますが、すべての熱が良いサインではないので自己判断で危険なことはしないでください。
ホメオパシーでは体内のデトックスや免疫の再調整のために、一時的に発熱するという考えがあります。
この「良い熱」を無理にレメディで下げようとすると、せっかくの治癒プロセスを妨害し、かえって状態を悪化させてしまうのです。
これは体が順調に回復している素晴らしいサインの場合もありますが、すべての熱が良いサインでははなく、見極めも簡単ではありません。
熱が下がらないという結果の裏には、たくさんの可能性が隠されています。自己判断で見極めることがいかに難しいか?お分かりいただけるかと思います。
【体験談】子供の高熱をホメオパシーで抑圧し続けた母親
これは、クラシカルホメオパシーの専門家である私、世良のところにご相談に来られた、A子さん(30代後半・会社員)の実際のお話です。
彼女は、ずっと娘さんの熱にセルフケアで習ったホメオパシーの乱用を続けてきました。
「仕事が休めないから、熱を出すたびにセルフケア講座で習ったレメディーで下げていたんです。最初はすぐ効いて、ホメオパシーってすごい!って思ってました」と語ってくれました。
しかし、中学生くらいになった頃から、娘さんの様子がおかしくなってきたと言います。
熱は出さなくなった代わりに、気管支が弱くなり、一度咳き込むと夜も眠れないほど。さらに、以前は活発だったのに、なんだか無気力で、笑うことも少なくなってしまったそうです。
A子さんのコンサルテーションで分かったのは、繰り返されるレメディーの使用によって、息子さんの「熱を出す」という正常な防御反応が「抑圧」されてしまい、問題が気管支という、より体の深い部分へと移動してしまっていたという事実でした。
この体験談は、目先の症状を消すことが決して根本的な解決にはならないという、ホメオパシーの重要な真実を私たちに教えてくれます。
まだA子さんはお子さんの不調に気づけただけ素晴らしいことです。
もしこの「ゆっくりとしたホメオパシーの高熱抑圧による悪化」に気づかなければ、子供にレメディーを使い続け、気がついたら慢性病を発症させていた、などという恐ろしいことが起きているかもしれません。
まとめ:子供の発熱は親子で成長するチャンス。ホメオパシーと賢く付き合おう

この記事では、ホメオパシーを使った子供の熱への対応について、その危険性から安全な使い方まで、徹底的に解説してきました。
子供の発熱は、決してただの「悪いもの」ではありません。それは、子供自身の免疫力がたくましく成長し、同時に、母親であるあなたが自分自身の心と向き合うための、絶好の「チャンス」なのです。
そのチャンスを、親子のかけがえのない成長の糧にするために、どうか自己流の危険なセルフケアに頼るのは、今日でやめにしてください。
ホメオパシーは、あなたの敵ではありません。そのパワーを正しく理解し、賢く付き合えば、これほど頼りになるパートナーはいないのです。
あなたの問題を本気で解決したいと願うなら、遠回りをせず、信頼できるプロのクラシカルホメオパスに相談してください。
それが、あなたと、あなたの大切なお子さんの未来を守るための、最も確実で、最も愛情深い選択なのです。

