クラシカルホメオパシーの専門家 世良純子です。ホメオパシーは、正しく使えばあなたの心と体のバランスを取り戻す、素晴らしい自然療法です。
しかしその手軽さが大きな落とし穴。安易な知識で自己流のケア(セルフケア)に手を出した結果、深刻なトラブルに陥ってしまう人が後を絶たないのです。
この記事では、なぜ自己流のホメオパシーやセルフケアが危険なのか?そして、どうすれば安全にその恩恵を受けられるのか?
あなたが絶対に知っておくべき真実を、プロの視点から全てお話しします。
【結論】ホメオパシーは本当に危険なのか?

結論から言います。ホメオパシーは、使い方を間違えれば非常に危険です。
ホメオパシーシリカのレメディーについての記事に記載していますが、レメディーは誤って使うととても危険です。
ただし、正しい知識を持って専門家と使えば、これほど心強い味方はいません。
レメディは巷で言われるような「ただの砂糖玉」ではなく、あなたの心と身体に実際に作用する力を持っています。
この力こそが、効果の源であり、同時に危険の源にもなるのです。
だから、ホメオパシーの危険を避けるたった一つの方法は、「自己流で絶対に手を出さないこと」。これに尽きます。
特に、精神的・感情的な悩みに対しては、セルフケアは絶対にNGです。経験豊富なプロのホメオパスに相談することが、安全で効果的な唯一の道なのです。
最大の誤解「ホメオパシーは危険」と言われている4つの背景

「ホメオパシーは危険だ」と言われる背景には、いくつかの根深い問題が隠されています。具体的には以下4つの問題です。
- アンチホメオパシーがもたらすホメオパシーの危険性
- レメディーが安全とは言い切れない科学的根拠
- 「シミラー」:中途半端な反応が悪化・混乱を招く
- 健康でない人はどんなレメディーにも反応しやすい
この章では、これらの構造的な問題を一つひとつ解き明かしていきます。
アンチホメオパシーがもたらすホメオパシーの危険性

皮肉なことに、「ホメオパシーは効果がない、プラシーボだ」という主張が、逆に危険なセルフケアを生んでいます。
「全く効果がない」この考えが拡がっているために「どうせ効かないなら、気軽に試しても平気でしょ?」という誤解を招いているのです。
ネットで「非科学的」という情報を見て、「効いたら儲けもの、害はないなら試してみよう」と感じ、むしろ危険なホメオパシーを拡めてしまっています。
しかし、これは大きな間違い。ホメオパシーはインドでは医療に近い扱いで、イギリスでもフランスでも薬局でレメディーが売っています。
ホメオパシーはあなたの心や身体に作用するからこそ、慎重に扱う必要性があります。
アンチ派の「無作用説」が、その慎重さを奪い、結果的に悪化や混乱といった危険な事態を引き起こす弊害を生んでいるのです。
レメディーが安全とは言い切れない

ホメオパシーのレメディーは「適合しなければ何も起こらないので安全」と説明されがちですが、これも大きな誤解です。
なぜなら、レメディは実際に体に「作用」するからです。
例えばインドでは、ホメオパシーは医療として法的に認められ、大学で専門教育まで行われています。
これは、レメディが持つ力が本物であることの、何よりの証拠です。
特に、心身のバランスが崩れている人は、合わないはずのレメディにも過敏に反応しがちです。「効かないレメディは尿と一緒に出るだけ」なんてことはおきません。
「安全神話」を信じず、レメディは専門家に相談して使うものだと知ってください。これが危険なトラブルを避ける第一歩です。
より詳しくは以下のメルマガでクラシカルホメオパシーの専門家が詳しく解説しています。
「シミラー」:中途半端な反応が悪化・混乱を招く
レメディーが危険になりうる最大の理由の一つが、完全に適合していないが少しだけ関連性のあるレメディー、通称「シミラー」を摂取した際に起こる、中途半端な反応です。
ホメオパシーでは、その人の全体像に完全に一致するレメディーを「シミリマム」と呼びます。このシミリマムが最も理想的な治癒をもたらします。
しかし、自己判断で選んだレメディーは、この「シミリマム」ではなく、一部分だけが似ている「シミラー」である場合がほとんどです。
このシミラーを摂取すると、改善はしないまま、別の不快な症状が現れるといった「悪化」だけを引き起こしたりすることがあります。
例えば、一度に数種類のレメディーを摂ったり、混合レメディーを使ったりすると、このシミラーによる予期せぬ反応が起こりやすくなります。
その結果、本来の症状がより複雑に絡み合い、心身の状態をひどく混乱させてしまうのです。
不健康な人はどんなレメディーにも反応しやすい
あまり知られていない事実ですが、心身が弱っている時ほど、あらゆる種類のレメディーに過剰反応しやすくなります。
ところが、自分で色々なレメディーを試しては毎回「反応があった」といって喜んでいる人がいますが大変危険です。
自分でレメディを選ぶセルフケアは、もともと「健康な人」が軽い急性症状に使うのが大前提です。
慢性的な不調を抱えている人は、その前提から外れていて、どんなレメディーにも反応しやすいうえに、悪化しやすいので危険なのです。
これは、身体が弱っている時に、普段平気な食べ物でもアレルギーが出てしまうのと同じ理屈です。
だからこそ、不調を抱えている人ほど、安易なセルフケアは危険なのです。この事実を、絶対に忘れないでください。
メンタル・感情の問題に自己流でホメオパシーを使うと危険な5つの理由

数あるセルフケアの中でも、特に「メンタルや感情の問題」に自己流で取り組むのは、最も危険な行為です。
その5つの決定的な理由を、今からお話しします。
- 理由①:心に問題を抱えている人ほどホメオパシーに惹きつけられる
- 理由②:自分の心を客観的に評価できないから
- 理由③:レメディーが効かない現実を認められないから
- 理由④:気が付くと悪化のスパイラルに陥っているから
- 理由⑤:癒されたい人が「癒す側」になろうとする構造的問題があるから
では、1つずつ見ていきましょう。
危険な理由1:心に問題を抱えている人ほどホメオパシーに惹きつけられるから

ホメオパシーは「心と体の繋がり」を重視します。だからこそ、心や感情・精神の悩みを抱える人ほど、その答えを求めて強く惹きつけられ、自分で何とかしようと執着してしまうのです。
「自分の心を理解したい」
「苦しみの原因を知りたい」
その純粋な思いが、専門家の助けを借りずにレメディに手を出す、危険なセルフケアへの入り口になってしまいます。
ですが、セルフケアによってあなたの問題をさらに深刻化させる可能性があることを、忘れないでください。
危険な理由2:自分の心を客観的に評価できないから
メンタルや感情へのセルフケアが危険な最大の理由は、悩みの渦中にいるあなたには、自分の状態を客観的に見る能力が欠けているからです。
人は誰でも、自分に都合の悪いことから目をそむけるもの。例えば、「夫に不満だらけなのは、夫が100%悪いから」と信じている人は、その夫との結婚を選び、その悪い関係性を築いてきた自分自身の課題を直視できません。
プロのホメオパスは、第三者の冷静な視点で、あなた自身も気づいていない問題の核心を見抜きます。
この客観性なくして、正しいレメディ選びは不可能なのです。
なので、もしホメオパシーに興味があれば、まずは以下のメルマガにて自分の状況を客観的にチェックしてみてください。
理由3:レメディーが効かない現実を認められないから
自己流でレメディを試す人は、「効いていない」という現実をなかなか認められません。
その背景には、「自分の心の問題を自力で何とかしたい」という強い思いと、「自分の判断は合っているはずだ」という思い込みがあります。
この「自分の判断は合っているはずだ」という思い込みが、次から次へとレメディを試す悪循環を生みます。
一度セルフケアを始めると、レメディーの本を読むたびに「このレメディーも自分に合う気がする」「あの症状も自分に当てはまる」と感じてしまい、ますます次々とレメディーを試すことを止められません。
本当に正常な判断力があれば、数回試してダメなら専門家を頼るはずです。
でも、心が不健康だと、「効いた気がする」「もう少し続ければ…」「次はもっと強い刺激を…」と、どんどん深みにはまっていきます。
これはもはやケアではなく、自ら心身を混乱させる行為に他なりません。
理由4:気が付くと悪化のスパイラルに陥っているから
効かないレメディを使い続けると、やがて心身は完全に混乱し、元の悩みよりはるかに深刻な「悪化のスパイラル」に陥ります。
最初は1つのレメディーから始まったセルフケアも、効果が出ない焦りから、複数のレメディーを同時にとったり、使用してはいけない順番や、使用すると危険な組み合わせでレメディーをとったりと、めちゃくちゃな使い方にエスカレートしがちです。
その結果、心身はどの刺激にどう反応すれば良いのか分からなくなり、パニック状態に陥ります。
実際に私の元には、「頭にもやがかかって虫が這っているよう」「胸が苦しくて立っていられない」といった、壮絶な状態で助けを求めてくる方が後を絶ちません。
軽い気持ちで始めたセルフケアが、気づいた時には自力では抜け出せないほどの泥沼にはまり、心身ともにボロボロになってしまう。これが、自己流でのアプローチ(セルフケア)がもたらす最も恐ろしい結末なのです。
理由5:癒されたい人が「癒す側」になろうとする構造的問題があるから

心の問題を抱えた人がセルフケア講座などに参加すると、自分の問題から逃げるように、安易に「他人を癒す側」になろうとする傾向があります。
本来、自分の心の問題を解決したいという動機(需要)でホメオパシーに興味を持ったはずが、「簡単にセラピストになれる」といった講座(供給)に触れることで、その目的がすり替わってしまうのです。
「他人や家族をケアしたい」という大義名分を得ることで、最も向き合うべき自分の内面から目をそらすことができるからです。
これは、自身が癒されないままヒーラーになろうとする構図と全く同じです。
ですが、自分の問題を解決できていない人が、どうして他人の問題を正しく導けるでしょうか?
これは、ホメオパシー業界が抱える、根深い構造的な問題でもあります。
【危険度診断】あなたは大丈夫?ホメオパシーのセルフケアをオススメしない人の特徴

ホメオパシーのセルフケアは、誰にでも安全にできるわけではありません。
あなたが危険なセルフケアに陥る可能性がないか?ここで診断してみましょう。
もし以下のチェックリストに1つでも当てはまる場合は、自己判断でのレメディ使用は絶対にやめてください。
- ホメオパシーの学校を卒業していない
- 卒業していても、100人以上の臨床実績がない
- 「好転反応」と「悪化」の違いが判断できない
- 病院嫌い、薬嫌い、極端なナチュラル志向
- 家族・子供にホメオパシーを押し付ける
- 自分の問題の「核心」がわかっていない
- スピリチュアルを信じすぎている
それでは、1つずつ確認していきましょう。
特徴1:ホメオパシーの学校を卒業していない
ホメオパシーの専門教育を受けていない人が、本や数日の講座知識でレメディを扱うのは、極めて危険です。
プロのホメオパスは、数年かけて解剖生理学や病理学、そして数百種類に及ぶレメディーの膨大な知識、さらにはクライアントの状態を正確に見極めるための哲学や思考法を徹底的に学びます。
本に書かれているのは、レメディーの膨大な情報のごく一部にすぎません。また、セルフケア講座はあくまでホメオパシーの入り口であり、そこで得られる知識だけで安全に人をケアすることは不可能です。
それは、一般人が医学書を数冊読んだだけで外科手術をするようなものです。体系的な知識と訓練なくレメディを扱うことは、それくらい無謀な行為だと認識してください。
特徴2:ホメオパシーの学校を卒業しているが、100人以上の担当をした実績がない
たとえ専門学校を卒業していても、100人以上のクライアントを担当した実績がなければ、まだ「初心者マーク」です。
ちなみに、「怪我をした」と言っている人に「アルニカをだした」などというセルフケアもどきの実績は1としてカウントしてはいけません。
※ちなみに怪我にアルニカを使うのは間違いです。
ホメオパシーは、知識だけでは成り立たない実践的な技術です。
車の運転と同じで、多様なケースを経験して初めて、予期せぬ事態に対応できる応用力が身につきます。
十分な経験のないホメオパスによるケアも、依然として高いリスクを伴うのです。
特徴3:「好転反応」と「悪化」の違いが判断できない
レメディを飲んだ後の反応が「好転反応」か、単なる「悪化」かを正確に判断できますか?
この見極めは、プロにとっても非常に難しく、豊富な経験が求められます。
その症状が好転反応か?悪化か?判断ができない人は、絶対にセルフケアを行うべきではありません。
「好転反応だから大丈夫」という思い込みが、取り返しのつかない事態を招きます。
より詳しくは、好転反応に関する記事でも解説しています。

特徴4:病院嫌い、薬嫌い、極端なナチュラル志向
「病院は毒」「薬はすべて悪」といった極端な思想は、ホメオパシーを危険なものに変えます。
本来、病院で受けるべき治療の機会を逃し、ホメオパシーだけで何とかしようと固執してしまうからです。
正しいホメオパシーは、西洋医学と対立するものではなく、必要に応じて連携するものです。ホメオパシーは医療行為ではなく、薬の代わりにはなりません。
手術や緊急の処置が必要な場合に、それを拒否してレメディーに頼るのは、ホメオパシーの誤った使い方です。
実際に、ホメオパスに「病院に行くな」と言われて重篤な状態に陥ったという悲しい事例も存在します。極端な思想は、ホメオパシーを安全な自然療法から、命を脅かす危険な行為へと変えてしまうのです。
特徴5:家族・子供にホメオパシーを押し付ける

「自然のものだから安全」という理由で、家族や子供にレメディの使用を強要していませんか?
特に、意思表示ができない子供に、不十分な知識でレメディを与えることは、倫理的にも問題があり、極めて危険です。
例えば、子供の耳の痛みを「セルフケアで何とかなる」と素人判断し、実は中耳炎が悪化して重い病気に繋がっていた、というケースも考えられます。
子供の症状は、脳に近い耳の問題など、特に慎重な対応が求められます。
良かれと思っての行為が、最も大切な家族を危険に晒すことになりかねません。それは愛情ではなく、危険なエゴの押し付けです。
特徴6:自分の問題の「核心」がわかっていない
レメディの説明を読むたびに、「これも自分に合う」「あれもそうだ」と感じてしまう、結局どのレメディーが自分に合うのか絞り込めない人は、セルフケアをすべきではありません。
この状態は、自分の問題を客観視できず、問題の「核心」が全くわかっていない証拠です。
手当たり次第にレメディを試すことは、問題を解決するどころか、さらに深い混乱へと自分を導くだけの危険な行為です。
特徴7:スピリチュアルを信じている人

「インナーチャイルドを癒せば解決する」「心の持ちようですべてが変わる」といった考えに傾倒している場合も危険です。
スピリチュアルな考え方自体が悪いわけではありません。しかし、ホメオパシーを現実的な問題解決のツールではなく、目に見えない力を探求する手段と捉えてしまうと、危険です。
レメディによる明らかな悪化を「魂の浄化だ」などと都合よく解釈し、危険な状態を放置しかねません。
地に足のついた客観的な判断が、何よりも重要なのです。
トラブル回避!安全なセルフケアと危険なセルフケアの特徴

では、どうすれば危険を避け、ホメオパシーを安全に利用できるのでしょうか?ここでは、セルフケアを行っても良い範囲と、絶対に手を出してはいけない範囲の「境界線」を明確にします。
- 本来のセルフケアの定義
- 【チェックリスト】セルフケアの対象となる症状vsならない症状
- これだけは守って!自分でレメディを飲む前に知るべき5つのルール
それでは、安全な利用法を具体的に見ていきましょう。
本来のセルフケアの定義:あくまで「健康な人」の「急性症状」が対象

ホメオパシーのセルフケアとは、本来「慢性病を持たない健康な人が、突発的に起きた原因のハッキリしている急性症状に、一時的に用いること」と厳格に定義されています。
例えば、「昨日転んで打ち身ができた」「虫に刺されて腫れている」といった一過性の症状です。
慢性的な便秘やアレルギー、繰り返す頭痛、心の悩みなどは、すべてセルフケアの対象外です。
これらはプロによる全体的なケアが必須です。
なお、プロによる全体的なケアに興味がある場合はこちらに登録することをオススメします。
【チェックリスト】セルフケアの対象となる症状vsならない症状

以下にセルフケアがOKな症状例と、NGな症状例を記載します。
セルフケアOKな症状は原因が物理的でハッキリしており、身体の局所的な問題であることが多いです。
▼セルフケアOKな症状例
- 外傷、切り傷(軽度のもの)
- 内出血・打ち身
- 捻挫・筋違い
- 虫刺され(蜂など、明らかに腫れて痛む場合)
- 子供の高熱(一部のみ、毎回使用はかえって子供の免疫力を下げてしまう)
一方、次のような慢性的な症状であったり、心の問題と深く繋がっていたり、重い病気が隠れていたりする可能性がある症状の場合は、専門的な判断が必要です。
▼セルフケアNGな症状例
- 慢性病をかかえている(病名がつく慢性病を抱えている場合)
- 病院にかかっている、常用薬がある
- 鼻炎や花粉症(アレルギー体質という慢性的な問題が背景にある)
- 繰り返す症状(慢性症状はすべて対象外)
- 皮膚の問題(内臓や精神状態の現れであることが多い)
- 耳の痛み(特に子供の場合、脳に近く重い病気を見逃す危険がある)
- 頭痛(一見軽い症状に見えて、重い問題が隠れている場合も)
- 精神・感情の問題(背景に重い症状が隠れている場合も)
Q&A.これだけは守って!自分でレメディを飲む前に知るべき5つの質問

セルフケアを行う際も、安全を守るための絶対的なルールがあります。この5つのルールはあなたの安全を守るための命綱です。
- Q1:本当にセルフケアが必要かどうかの見極めは?
- Q2:レメディが効かなければ何種類までレメディーを試していいですか?
- Q3:症状が強い・繰り返すならセルフケアはしない(病院へ)
- Q4:「嫌な予感」といった自分の違和感を信じる
- Q5:精神・感情の問題には絶対に使わない
Q1.本当にセルフケアが必要かどうかの見極めは?
A.その症状に、本当にレメディが必要か、一呼吸おいてできれば1〜2日考えて、本当に必要ならレメディーを使ってください、自然治癒するようなちょっとした傷にホメオパシーは必要ありません。
なぜなら、レメディーの使いすぎは、私たちの身体に備わった素晴らしい自然治癒力がむしろ衰えるからです。
蚊に刺された、軽いすり傷ができた。そういったものは、放っておいても体が自分で治してくれます。
何でもかんでもレメディに頼ることは、逆にあなたの身体の自己治癒力を鈍らせてしまうことにも繋がります。
本当にレメディの助けが必要な問題なのか?それとも、体の治癒力に任せておけば大丈夫なことなのか?この最初の見極めが、とても大切なのです。
Q2.レメディが効かなければ何種類までレメディーを試していいですか?
A.もしレメディを使うと決めたなら、「3回試して効かなければ、潔くやめる」というルールを徹底してください。
「もう少し続ければ効くかも…」という淡い期待が、悪化や混乱を招く最大の原因になります。1回飲んで様子を見る。変化がなければ2回目。それでもダメなら3回目。ここまで試して明らかに良い変化がなければ、そのレメディはあなたに合っていません。
効果のないレメディに、あなたの貴重な時間と健康を費やす必要はないのです。
ダラダラと続けない。この「やめる勇気」が、あなたを危険から守ります。
Q3.強い頭痛が繰り返しあります、セルフケアをしていいですか?
A.症状が異常に強い場合、または同じ症状を何度も繰り返す場合は、セルフケアを中止し、すぐに病院へ行ってください。
繰り返す症状は慢性症状ですので、ホメオパシーセルフケア対応ではありません。
激しい痛み、高熱が続く、毎週のように同じ頭痛が起きる。そんな時は、自己判断で危険なギャンブルをするのではなく、専門医の診断を仰ぐことが最優先です。
現代医学を正しく活用することも、あなたの体を守るための重要な知恵なのです。
強い症状、繰り返す症状はホメオパシーのケア対象ではないのではなく、「ホメオパシーのセルフケアの対象ではない」のです。
病院に行っても病気ではなく、原因不明だとか、心の問題とかかわっているとか、自然のチカラでケアしたいなら病院と一緒にプロのホメオパシーの専門家に相談しましょう。
Q4.強い症状ではないし、繰り返しませんが「嫌な予感」がします、ホメオパシーセルフケアしてよいですか?
A.本や情報よりも、あなたの「なんだか嫌な予感」を信じてください。その直感は、多くの場合正しいです。
特に軽い熱に見えても、お子さんの症状に強く不安を感じたらすぐ病院へ行ってください。
「本には軽い症状と書いてあるけど、明らかに悪化した気がする…」
「理由はわからないけど、見ているとどんどん不安になってきた・・・」
そのあなたの体の正直な声こそが、何よりも信頼できる情報源です。
仮にレメディーを使っていて「これはおかしい」と感じたら、それもレメディを中止するべきサインかもしれません。この鉄則を、絶対に忘れないでください。
Q5.精神・感情の問題にホメオパシーでセルフケアしていいですか?
A.最も重要なルールです。悲しみ、嫉妬、不安、うつ、やる気のなさといった心の問題に、自己判断でレメディを使うのは絶対にやめてください。
心の問題は最も複雑で、自分自身へも、他人へも、客観的な判断が極めて難しく、一度間違えると深刻な悪化のスパイラルに陥りやすいからです。
感情の問題は、しばしば身体の不調を複雑に問題が繋がっています。
心のケアは、セルフケアで対応できる領域を完全に超えています。
ここはプロの領域です。本気で心を軽くしたいと願うなら、必ず信頼できるプロのクラシカルホメオパシーの専門家に相談してください。
なぜ危険なホメオパシーセルフケアをみんな信じてしまうのか?

なぜ、これほど危険な行為が世の中に拡がってしまうのでしょうか。その背景には、個人の判断ミスだけでなく、業界が抱える構造的な問題があります。
- 安価で気軽なセルフケア講座の落とし穴
- ネットでプロ用の強いレメディーが簡単に手に入るという現実
- ホメオパスも知らない事実:急性症状の対処は実はプロでも難しい
これらの問題点を、一つずつ掘り下げていきましょう。
安価で気軽なセルフケア講座の落とし穴

安価で短期間のセルフケア講座が、「自分はホメオパシーを理解した」と誤解する人々を量産しています。
プロになるには数年と高額な費用が必要です。
しかし一部の講座では、集客のために「何でもケアできる」「簡単に自然療法家になれる」といった誇大な宣伝が行われ、セルフケアの本来の目的や厳格な適用範囲が正しく伝えられていません。
中には、十分な臨床経験のない未熟なホメオパスが講座を教えているケースもあり、受講生に誤った知識や危険な認識を植え付けてしまいます。
その結果、危険性を認識しないまま安易にレメディを使用する人々を生み出し、事故を増やすという負の連鎖が起きているのです。
ネットでプロ用の強い作用のレメディーが簡単に手に入るという現実

今の時代、ネットを使えば誰でも、プロが使うような強力なレメディ(200C以上のハイポテンシー)を簡単に購入できてしまいます。
これは例えるなら、「一般人が処方箋なしで劇薬を手に入れられる」ような異常事態です。
イギリスやフランスでは薬局でレメディーが売られていますが、6Cや12Cまでの場合もしばしばです。
しかし、ネット環境が、この安全ラインをいとも簡単に壊してしまっているのです。
ホメオパスも知らない事実:急性症状の対処は実はプロでも難しい
「セルフケアで扱う急性症状は簡単」と思われがちですが、これは大きな間違いです。
実は、その人の全体像を見ずに局所の情報だけで判断する急性のケアは、プロのホメオパスにとっても非常に難しい技術なのです。
セルフケアで起きていることは、結局のところ、
このいずれかである可能性が、極めて高いのです。
体験談:ホメオパシーで危険な目にあった人のご相談例

ここでは私、クラシカルホメオパシーの専門家 世良純子がプロのホメオパスとしてご相談にのった体験談についてお話しましょう。
自己流のケアや未熟なホメオパスが、いかに深刻な事態を招くか。これらの悲痛な声に耳を傾けてください。
- ケース1.ホメオパスから大量のレメディを出され、湿疹やアレルギーが止まらなくなった
- ケース2.200種類以上のレメディをとり、頭が混乱してしまった
- ケース3.ホメオパスに「自分でもレメディをとれ」と言われ悪化
- ケース4.自己流で本を見て試し、痛みで日常生活が送れなくなった
ケース1.ホメオパスからたくさんのレメディーを出され湿疹やアレルギーがとまらなくなった
あるクライアントは、私以外のあるホメオパスにかかった結果、大量のレメディーを次々と出され続け、どんどん悪化する湿疹やアレルギー症状に苦しんでいました。
そのホメオパスは、次から次へと現れる症状に対し、その都度異なるレメディーを追加し、軟膏を塗ることを提案するという対応を繰り返していました。
結果、レメディーを辞めても症状が軽減せず身体は混乱に陥っていたのです。
私のコンサルテーションでは、まずこれまでのレメディーの影響を解消する「アンチドート」というアプローチを行い、混乱した状態をリセットしました。結果、皮膚症状の悪化はとまりました。
その後、改めてご本人の体質に合ったレメディーを選び直したところ、本来の悩みであった頭痛も快方に向かいました。
ケース2.ホメオパスにかかり、200種類以上のレメディーをとり頭が混乱

「これまでに200種類以上のレメディーをとりましたが、頭が混乱して何が何だか分かりません」という、衝撃的なご相談を受けたこともあります。
この方は、かかっていたホメオパスの指示で、指示されたレメディー以外に、自分でも大量にレメディーをとり、膨大な数のレメディーを長期間にわたって摂取し続けていました。
その結果、心身はどのレメディーにどう反応しているのか全く分からないカオス状態に陥り、元の悩みとは別の、深刻な精神的混乱をきたしていました。
本来、クラシカルホメオパシーでは、厳選した一つのレメディーを使い、その反応をじっくりと観察するのが基本です。
200種類ものレメディーを無秩序に使うことは、ホメオパシーの原則から大きく逸脱した、極めて危険な行為です。
この事例は、たとえホメオパスにかかっていたとしても、その質を見極めなければ、セルフケア以上に危険な結果を招きかねないという厳しい現実を物語っています。
ケース3.ホメオパスにかかっていたが、自分でもレメディーをとるようにいわれ悪化
「ホメオパスに相談していますが、『好転反応が出たら自分でレメディーを選んで乗り切って』と言われ、その通りにしたら悪化してしまいました」というケースも非常に多いです。
このクライアントは、言われた通りに自分でレメディーを追加した結果、元々の悩みであった頭痛に加え、悪夢や恐怖感といった精神症状まで悪化させてしまいました。
専門家を頼ったはずが、逆に危険なセルフケアを推奨され、泥沼にはまってしまった悲劇的な事例です。
ケース4.自己流で本を見てホメオパシーを試して、痛みで日常生活ができなくなる
プロのホメオパスにはかからず、本を読んで自己流でレメディーを使っていた方が、激しい痛みで日常生活すら送れなくなったというご相談もありました。
この方は、混合レメディー(複数のレメディーが予め混ぜられている製品)を、さらに自己流で混ぜ合わせて使用するという、最も危険な使い方をしていました。
混合レメディー自体がクラシカルホメオパシーの考え方とは異なるものですが、それをさらに混ぜると何がどう作用するのか予測不可能な状態です。
その結果、身体は過剰な刺激で完全にバランスを崩し、耐えがたいほどの痛みとなって現れました。
レメディー購入先に問い合わせましたが「自己責任」といわれとりあってもらえなかったそうです。
病院に行っても解決できない痛みに耐えかねて夜中に急に「今すぐ対応してくれ」とお電話がきました。
こういったケースは非常に多く解決しているので緊急対応の方法をお伝えしたところ
手軽に手に入る情報だけを頼りにした安易なセルフケアが、生活を破壊するほどの深刻な結果を招いてしまった典型的な例です。
まとめ:あなたの問題をホメオパシーで本気で解決したいなら

ホメオパシーの危険を避け、その恩恵を最大限に受ける唯一の方法。それは、「自己流のセルフケアを今すぐやめ、信頼できるプロのクラシカルホメオパスに相談すること」です。
この記事で、安易なセルフケアがいかに危険か?ご理解いただけたと思います。
- レメディは、プラシーボではなく、心身に作用する力を持っています。だからこそ、誤用は危険です
- 特に心や感情に問題を抱えている人は、自分を客観視できず、悪化のスパイラルに陥りやすいです
- ホメオパシーは薬や病院の代わりにはなりません。必要な医療の拒否は、危険です
もしあなたが、ご自身の問題を本気で解決したいと願うなら、これ以上、危険な自己流で時間と健康を浪費するのはやめてください。
あなたの状態を正確に理解し、治癒のプロセス全体を責任を持って導いてくれる、腕のあるプロの助けを借りること。それが、ホメオパシーと安全かつ効果的に付き合うための、唯一の正しい道なのです。

